おちゃだより

雑談、ひとこと、気持ち、、、

短編小説風『おちゃだより』

第一話 散歩をしながら

 
家を出る前

 会社を終えて帰宅し、スマホを眺める。次に時間を確認するとだいたい18時。そこから食堂でご飯を食べる。これが基本のルーティン。彼女はちょうどバイトの時間。話す相手はいない。やり込んでいるゲームももう飽きるところまで来てしまった。

 

 今日はやるべきことがあった。先週始めて、おとといも、そして今日もジョギングを同期とする予定だった。だから昨日、夜ご飯を食べたあと、その足でコンビニへ行きお菓子を買って家で貪った。今日のジョギングでチャラにできると思ったから。でもお昼前に「今日はパス笑」ってLINEが来た。ならひとりで散歩をすればいい。楽しさは減るが、ボーッと頭を使わずに歩いたことのない道を進む。昨日のお菓子分をチャラにして、コンビニでご飯でも買おう。いつもはファミマだけど、今日はセブンで買える。散歩への十二分な目的を持って僕は家を出た。

 

通ったことのない道へ

 通ったことのない道へ歩き出す。通ったことない道は明かりが少ないように思う。暗い道をボーッと歩く。周りには一軒家が立ち並ぶ。どの家も広くてデザイン性がある感じ、庭もある。僕もこんな家に住んでみたい。将来はどんな家で暮らそうか、どこで暮らそうか、そんな思いを馳せながら暗いほうへ、暗いほうへ。

 

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 30,40分歩いただろうか。暗い道はまだまだ続くだろう。念のためスマホでマップを開く。なんてことだ、曲道がない。ぐるっと回るにはあと数時間歩かなくてはいけない。この方向に進み続ければ、帰りが遅くなるどころじゃない。Uターンするしかなくなった、これは屈辱的である。通ったことのない道を歩くのはこれほど難しいのか、と思い知らされた。僕は知っている道へと戻されることになった。

 

コンビニ飯

 仕方ない、セブンへ向かうとするか。今日はなんだかコンビニ飯気分。彼女が牛丼やら、まぜそばやら食べた写真を送ってくるので、外食気分になっていた。でも近くにそんな店はないし、無駄に車で行こうとも思わない(ガソリン高いし)。僕は外食気分をコンビニという最安値の形で昇華することにした。

 

 何を食べようか。小学生のころのようなワクワク感こそないが、コンビニを変えるだけでも少しワクワクするものだ。帰り道、歩きながら食べたいのでおにぎり二つとナナチキを買った。久々のおにぎりは悪くない、でもエビマヨのエビが少ない。ナナチキはまあ美味い、ファミチキの増量キャンペーンには劣るがな。ブツブツ文句を思いながら、結局ペロリと平らげた。コンビニ飯がいつまでも美味しいと思えるお金のかからない人間でありたい。高いご飯なんて年に一度食べれたらいいな。ひとりで外食もったいないし。この散歩で得たものは、ご飯と健康。昨日のお菓子を合わせるとプラマイでプラスな気がするけど。散歩をしながら、、、僕に代わり映えはない。